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情画
第21章 秋
「お父さんも私もあなたが心配なだけなのよ。
何かあったら、すぐ言いなさいよ。」

「はいお母さん。でも大丈夫よ。」

「じゃあ明日。」


バタン…

「先生、ごめんなさい。」

「貴女が謝ることじゃないですよ。それに覚悟していましたからね。」

「あ…あの…」

「事が進んでからのご挨拶で、ご主人の立場も考えたら、両手をあげて喜べる話じゃない。

僕と一緒にいて良かったんだと、じっくり時間を掛けて伝えていきますよ。」

「は、はい…
実は…」

「大丈夫ですよ。
それだけは譲りませんから、何があっても明日連れて帰りますから…」

「はい…」

普段は優しいのに、先生のこの強さはどこからくるのだろう。

守られている。その安心感にワタシは甘えてばかりだ。

「でも、おかげで今晩は二人きりですね。」

先生は妖しく微笑んでいた。


「わぁ…夜景が綺麗ですね。」

ホテルのレストランの夜景が素晴らしかった。

「それでここを選びましたからね。」

先生のスーツ姿を見るのは初めてで、ドキドキしていた。

長身で端正な顔立ちの先生は何を着ても素敵だ。

逆に会社勤めでなくて良かったかも…

注目を浴びる先生を見て、そんなことを考えていた。
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