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情画
第22章 梅
「はい、それと…」

「届け出のことですか?」

「ええ、休みの間に早く産まれたらと思ったり、届け出が済むまで出てこないでと思ったり…」


「僕は今はどちらでもよいと思ってます。」

「へ…」

「実は実子には出来ないでしょう?

書類より事実があればいいんじゃないかって…

例えば、先に産まれても、実もこの子も僕の子供に変わりないと…

ただ、無事に産んで無事に生まれてさえくれれば…

あまり深く考えるより、体調と赤ちゃんのことだけ考えてくださいね。」


「はい。」

「愛してます。いずみ…」


「先生…わ、ワタシも…」


ゴーン…

あっ…

「鐘が鳴り始めましたね。」

「ええ…」

「さて仕上がりましたよ。」

「見てもいいですか?」

「もちろん。」


あっ…こんな…

「どうしました?」


「ワタシ、こんな顔してましたか?」

「ええ、穏やかでとても幸せそうな表情ですよ。」

先生は静かに立ち上がりワタシの頬に手を添える。

そして優しく口づけされた。

「こっちへおいで…」

窓際に導かれる。

ガラガラ…

ゴーン…

ゴーン…

「来年も健やかな年になるといいですね。
沙絵と毎年願ってましたが、今年は更に願ってます。いずみ…ずっと一緒にいてくださいね。」

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