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情画
第22章 梅
この病院では母子同室を選ぶことができる。

家族も立ち入れるし二人目以降ならと勧められ、同室を選んでいた。

そうでないと赤ちゃんは新生児室にいて、家族は退院まではガラス越しにしか会えないのだ。


分娩室はおろか、陣痛室もまだまだだと言われて、先に病室に案内された。


まだ空のベビーワゴンを見て、

「ここにいるのにたぶん明日にはこのベッドにいるんですよね。」

先生は不思議そうにしていた。


「沙織と沙絵の病院は、

こんなことを話していいですか?」

「ええ…知りたいです。」

「沙織は妊娠初期に体調を崩して、貧血気味だし、沙絵に栄養が足りてないと言われてね。

入院させるストレスよりはと言われたけど、
出産間際は血圧が高いとか色々言われてたんです。」

「はい。」

「若かったし力不足だったんでしょうね。
医者は僕と沙織が未婚だからと、
直接僕とは話してもらえなかった。

産気づくというより、具合が悪くて入院するといった感じでした。

先に破水してしまって、薬で陣痛を呼んだりしてました。

もしかしたら、沙織はかなり危険な出産になると説明されてたかもしれませんね。」

「はい。」
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