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情画
第22章 梅
ふぅう…ふぅう…

「ん…やはり変な話をしてしまいましたね。

無事生まれてくるか、意味もなく不安になってしまうってことだけです。」


「ゆう…」

ワタシは先生の手を引っ張りキスをする。

「ワタシは強いし、先生を愛してます…
隠されるより話して欲しい。

沙織さんが守ってくれているし、大丈夫ですよ。」

「はい。」

コンコン…

「診察しますね。」

看護婦が脈や血圧を計り、医者が状況を診る。

「ん…やはり初産に近いと思っていた方がいいですね。
生まれるのは、夕方以降になりますよ。

少し部屋の中を歩いたりしてもいいですね。」

「あの…上の子を迎えに行きたいんですが…」

「たぶん、そのくらいの時間はあると思いますよ。
ただ、絶対のお約束はできませんがね。

出産と誕生は、未だに神秘ですから…」

「は、はい。
もし不在の時は、いずみのことよろしくお願いいたします。」

「緊張し過ぎてますね。私達医者はお手伝いをするだけですから…
それより天候が悪いから、慌てず気をつけてくださいよ。」

「ははっ…ありがとうございます。」

「もし、奥様がここにいなかったら、分娩室前の待ち合いスペースにいらしてくださいね。」
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