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情画
第22章 梅
沙織、これからは、君を思い出すことも、少なくなってしまうよ。

でも、忘れはしない。


いずみも君も優しい人だからね。

雪の舞う道で気をつけながら運転する。

色々と思考は廻るのに、何故か冷静だと自覚した。


大丈夫、いずみは水仙のように、優しく綺麗で可憐ながら、強い女性だ。

さて、実はどうしてるかな?


車を門に横付けして、インターホンを押す。

「パパ〜」

「実お帰り、すぐに病院に戻るよ。」

「はい。」

門をくぐって庭木の小路を進む。

石やアスファルトには積もってないのに、地面にはうっすらと雪が積もっていた。

「パパ〜赤ちゃん生まれた?」

実はランドセルから鍵を外し、自分で玄関の鍵を閉めていた。

「まだだよ。たぶん間に合うと思うよ。」

「じゃあ…早く行かなきゃね。」

実は手提げをもっていた。

「実、それなあに?」

「パパ急ごう。車で話すから…」

「ああ…」


「パパ安全運転で出発進行〜」

「そうだね。実、お腹すいてない?」

「大丈夫、牛乳でくるくるするゼリー食べたから…」

「なんだ、実の方がしっかりして落ち着いてるな。」

「そうだよ。パパ忘れ物してたよ。ほら〜」

実が手提げから手紙と箱を出す。

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