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情画
第22章 梅
「いずみ…今日役所から帰ったら、実の前でと決めてたんですが。」

箱を開けて実の手にのせる。

「いずみ…左手を出して…」

「あ、起きますから…」

「いえ、横になったままでいいですよ。」

「は、はい…」

「いずみ、僕と一緒にいてください。愛してます。
そして、赤ちゃんを無事産んでくれてありがとう。」

実の持つ箱からリングを取り出し、いずみの左薬指に通す。

「あぁ…」

いずみの目に一気に涙が溜まり、溢れて頬をつたう。

「ゆう…」

いずみは手で顔を隠して泣いていた。
左手には三色の光を放つリングと共に、今つけたばかりの真新しいリングが光っている。

「ママ…泣いてないで、パパにつけるんだよ。」

実がワタシの方に箱を近づける。

結婚指輪は、真ん中に2本の筆先が互い違いに絡み合っているようなデザインで、全体に縄のように捻りが入っていた。

絵と縄…ワタシたちを結び、縛りつけるもの…

ワタシは先生のリングを手に取った。

「ゆう…ワタシも貴方を愛してます。ずっと一緒にいてください。」

先生の左薬指に通していく。これがワタシたちの縄目、愛の証のひとつなのだ。

んふ…ふぇ…んぎゃぁ…ふぎゃあ…
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