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情画
第22章 梅
「あ…赤ちゃん泣いちゃった。」

実がワゴンを押してベッドサイドに連れてきてくれる。

前あきの病院着を開いて乳房を出した。
先生が赤ちゃんを抱えあげ、頭を出した乳房の方に向けて渡してくれた。

「お腹空いちゃったのねぇ〜」

乳首を赤ちゃんの小さな口にあてがう。

ゴクッ…

赤ちゃんの喉でなく、側に立つ二人の男のものが鳴った。

可笑しくて二人を見上げると、照れくさそうな表情で実とゆう同士も顔を見合わせた。

互いの真っ赤な顔を見て、自分の状況を把握したのか、気まずそうに顔を反らす。

ツーンと乳が張る感覚に、コクコクと赤ちゃんが喉を鳴らし始めた。

「実もこんな時があったのよ。」

赤ちゃんを見ながら言い終えて、静かに顔を上げる。

「僕、覚えてないや。」

実は素直に答えた。

「ほら、目を開けてるわよ。パッチリ二重だわ。」

二人とも乳房に近づく恥ずかしさより、赤ちゃんの顔が見たかったようで、
頭をぶつけるほど近づいて覗く。

「パパ似かしら…」

「いや、いずみ似だよ。」

「実にも似てるね。」

小さなお腹はすぐに満腹になり、コポッっと乳首を離して寝てしまう。

「あらあら、ゲップしないで寝ちゃだめよ〜」
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