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情画
第22章 梅
温もりを失いビクッと伸ばした手に、自分の指を掴ませて、トントンと優しく布団を叩くと、
落ち着いて眠りついた。


「ママ…赤ちゃんの名前、僕も考えたの…
梅ちゃんか雪ちゃん。」

「そうね…梅の花が咲いたし、雪も降ったものね…」

「ママが考えてるのは?」

「ゆいちゃん…結ぶという字でゆいちゃん…

この子がワタシたちを結びつけてくれたから…」


「ゆいちゃんね。パパは…
あっ、パパのお手紙出すね。」

「うん、実が開けて見せてごらん。」

「うん、いいの?」

「実に頼んだよ。」

実が手提げから封筒を出して手紙を広げる。

「えっ…パパ…」

「ママに見せてごらん。」

「う…うん…」


実が立ち上がり広げた和紙には毛筆で

『結ーゆい』と書かれていて、脇に、『実を結ぶ』と書かれていた。


「ママと一緒?」

まだ習ってない漢字に実が確認する。

「そうよ。」

「実、実の名前はね。ママの僕への思いと、実への愛情が詰まった名前なんだよ。

僕とママが知り合って好きになって、
パパにはいけないことかもしれないけど、

実という命を授かった。
実は僕たちの愛の形なんだよ。」
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