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情画
第22章 梅
結が乳房に吸い付く。最初は偶然手が乳房に触れたという感じだったのが、
今は明らかに意志を持って乳房に手を添えて握っていた。


握ったところで乳が沢山出る訳ではないだろうに、感触を味わいコミュニケーションを図っているのだろうか…

握られたいずみは、愛おしそうに結を見つめ、結はその視線を感じているようだった。


神聖な母子の愛を感じながらも、食料庫に変わってしまった乳房に触れたいとも思う。

温かい柔らかい線の塊を描き止めていった。

ング…ング…

喉を鳴らして乳を吸う結…開いていた瞳が満足したのか…トロンとしてきた。

コポッ…

眠さに負けて唇が離れるとむにゅむにゅと唇が動くが、それ以上乳房を追うことはなかった。

コトリ…

「結ちゃんおいで…」

いずみから受け取り僕が抱き上げると、高低差からビクビクッと手が空を切る。

胸にあてがい肩に顎を乗せる時に、着物が触れてキュッと握られる。

片腕でお尻から腰を支え、もう片方の手で背中をトントンと叩くと、コホッとゲップを出し、安心して眠りに落ちて手の力が抜ける。

無垢な体、ほとんどが受け身の環境で、恐怖に対して手を握るという行動しか出来ない。

守ってあげなければならないひしひしと感じるのだ。
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