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情画
第22章 梅
でも結にもちょうどよいタイミングだったらしい。
目が見え始めてきたのだ。

鳴らさなくても追いかけるようになってきて、手を伸ばして欲しがる。

「結ちゃん〜持ってみる?」

実が結の開いた指に宛てると反射的に握る。

「パパ、結ちゃん持ったよ。」

そのまま実が手を離してしまう。

コツン…

ふぃぎゃ…ふぎゃぁああ…

持ち切れず太鼓をおでこにぶつけてしまう。

「結ちゃんごめんね、わざとじゃないんだよ。」

ふぎゃぁああ…

「お〜痛かったなぁ、よしよし…

実、大丈夫だよ。軽いから痛くはないよ。びっくりしただけだ。」

ヒグッ…ヒグッ…

「う…うん。」

「でもさ、結ちゃんもお腹空いた以外の理由で泣いたね。
僕たちの言葉もそのうちわかってくるんだよ。」

「そうなの?」

「そうさ、聞いて覚えるんだから、通じてると思って普通に話しかけるといいんだよ。」

「うん。」


最初は結に構うことで実がヤキモチを妬くかと気にしたが、結と遊びたくて仕方ないようで、いずみを休ませ三人で遊ぶことが多かった。

家事もどんどん覚えるし、実はかなり成長したと思う。

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