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情画
第24章 芍薬
「は、はい。」

ワタシは入り口に背中を向けて座っていた。

カチャッ…

「いずみ…」

先生が近づいてくる。

「立ってこっちを向いて…」

あ…はぃ…

「あぁ…凄く綺麗だ。
沙絵がデザインして作ってもらったそうだよ。」


すっとしたAラインのドレス。裾に同じ生地で造られた薔薇が沢山付いていた。
そして織り柄で百合があしらわれている。


胸元には細かいギャザーが寄せられていてぴったりとしている。

ベールにも薔薇が、カチューシャの部分とベール全体にちりばめられていた。



「ゆう…」

「皆が待っているから、行きましょうか。」

「はい。」

そういう先生の白のタキシードもとても素敵だった。

「ゆう…」

「女王様のサプライズだからね。

また、全部仕切られてるよ。指輪を一旦ここに戻して、庭に一緒に出てくるようにって…」

「は、はい。」


玄関に靴まで用意されていた。

「じゃあいきますよ。」


カラン…カラン…

パチパチパチパチ…

玄関を出ると皆が正装して待っている。実や結も、そして実家の両親まで呼ばれていた。


「わぁ〜ママ綺麗。」


まさか、こんな風に祝福されるとは思わなかった。
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