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情画
第3章 闇夜
正座して沙絵さんを見上げた。

沙絵さんは驚いて固まっていた。

「沙絵様、失礼しました。」

頭をさげ、見ないようにして方向を変え、四つん這いで進み出した。

「いずみ」

先生に呼ばれても振り向かなかった。

二人を見てはいけない。
見たくもない。

ワタシはそのまま進んでいった。



「待って…おかっ…いずみさん、何故帰るの?」

ワタシは答えずに進んだ。

「部屋を出るまでは奴隷よ。答えなさい。」

それも無視した。

沙絵さんは今、ワタシのことをお母さんと呼びかけた?
気にはなったけど進む。

「また逃げ出すの?私を置いて…」

答えない。先生に抱き締められた感触だけ忘れずに帰らなきゃ…

ワタシは此処に居ちゃいけないんだ。


「あはっ、あははっ、あははははははっ」

沙絵さんが突然笑い出す。狂ってしまったの?
心配になるけど進んだ。

「忘れてるのね。あははははははっ」

何を忘れてるんだろう。
そう思いながらも進む。

グンッ…ジャリッ…

うぁ…

「首輪をつけてリードは私が持ってるってこと、
忘れてたのね。」

首輪が引っ張られたと同時に沙絵さんに告げられる。
ああ、繋がれていたんだった。
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