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情画
第3章 闇夜
「ごめんなさい。」

その言葉はほぼ同時に二人の口から放たれた。

沙絵さんの手がワタシの肩を掴み起こされる。

沙絵さんも涙を浮かべていた。

「まだ、あまり多くは話せないけど、私、いずみさんのこと嫌いじゃないのよ。」

沙絵さんがワタシの涙を拭う。

「好きだけど憎んでるの。虐めるのも、辞められないの。
でも、もうあの日みたいに逃げ出さないで…」


そう、ワタシは二人がどうなっているのか知りたかった。

先生が償いの試練にあっているなら、ワタシもそうすべきだと思ったはずだ。

「わかりました。もう逃げたしたりしません。」

そう答えていた。

「いずみさん、どうして逃げ出そうとしたの?」

「先生と沙絵様が愛し合っているから。
また同じことの繰り返しになるから。
さっき先生に抱き締められて幸せだと思ったから。」

「そう、私には理解できない部分もあるし、約束できないこともあるわ。

でもね、いずみさん。
一つだけ教えてあげる。
私、お父様と愛し合ってなんかいないわよ。

貴女があの絵をみて思った通りよ。」

沙絵さんが立ち上がる。

「お父様、ソファーをベッドにして。」
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