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星と僕たちのあいだに
第5章 それぞれの枕辺

部屋に入るなり、早苗は喉元をおさえられた。
壁に背をあてた早苗の股に、河村のひざがすべりこむ。
早苗の恥丘を強く圧迫しながら河村が首をかしげた。
『キスは?』
早苗は一度河村を睨み、すぐに顔をそむけた。
『そうか』
河村の指先が早苗の太腿を這いあがり、なれた手つきでスカートの中をさぐった。
そこからショーツをかき分けるまでの手順は以前と変わりない。
ひだの奥を弄(いじ)くられてしまえば、飼い馴らされた覚えがいともたやすく早苗の体を埋める。
過去、その指使いに何度も溶け落ちた早苗は、河村が次に何をするか、わかっている。
記憶していた通りの巧妙な愛撫に早苗の体はいつわらず感応し、河村の指をねっとりと塗りこめた。
節くれだった指が膣の中で曲がり、肉壁を這いまわる。
『うっ……!』
いちばん望ましい場所を探し当てられて、早苗は一瞬、切なくなった。
瞬時に膣が収縮し、河村の指を締めあげた。
フフッ、と河村が内心のよろこびをこぼした。
『ちっとも変わってないね』
化けの皮をはいでやったとでも言いたそうな顔つきでせせら笑うと、河村は、唇の拒否を罰するかのように曲げた指先に力をこめた。
からかい混じりの言い草にイラ立ちをおぼえながらも、数本の指に支配された早苗の性器はあふれつづけた。
あふれた水は河村の中指にからんで甲を伝い、ぽつ、と床にはねた。
力みをといた早苗の唇をあさろうと、河村が強引に顔をねじ込んだが、早苗はアゴを引いてイヤイヤのしぐさで顔をふり、かたくなにキスを拒んだ。
堕ちきらない早苗。
河村の眉間に弱く怒りが兆(きざ)した。
昔の女が、ここへきてまだ何かを守ろうとしている。
――――(こいつ、濡れてるくせに……)
河村は、小さく舌打ちして早苗をベッドへ押し倒し、着ているものをひきむしって乳房を舐めつけた。
大きすぎず、されども手にあまるお椀型の乳房は、小づくりな乳首をツンと立て、あお向けであっても椀の形をほとんど崩さない。
何年ぶりかで早苗にのしかかり、ものの数秒で夢中になった。
上物の女体を我が身にあてがって快楽を享受できるという期待と優越感が、河村の背筋をぞくぞくさせていた。

