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星と僕たちのあいだに
第7章 迷子
 
麻衣はいつも圭司の腕枕に抱かれて眠るが、ときおり圭司が毛布にもぐり込み、麻衣の大きな乳房に吸いついて甘えることがある。
成熟した男子であるのに性的ではない、その行為が麻衣は好きだった。
圭司が甘えて乳房に吸いついてきたときの、体の中心に感傷的なスープがにじみ出るような感覚は、いかんともしがたい幸福感をもたらしてくれる。

――――(私、良いママになれると思うんだけどな)

自分の顔に浮かんでいたであろうゆるんだ笑みが、母性本能の満足に導き出されたものだと気づき、麻衣はよろこばしい気分をみずから閉ざした。
その種のうれしさは、あとあとまで尾を引いて、肉体的な不備を実感させるからである。


息を切らせた男が管理事務所に駆け込んできた。
公園の外に出ていったのではないかと、道路や駐車場を捜しまわっていたと言って、職員に何度も頭をさげる男は、男の子の父親のようだった。

男の子はふり向いて父親に左手を伸ばしたが、右手は麻衣の首にまわしたままだった。

『直樹、探したよ』

安堵して全身をゆるませていた父親が、いったん驚いた表情で麻衣を見つめ、思い出したように深々と頭を下げた。

『息子をありがとうございました。
 ご迷惑をおかけしました』
 
小さく会釈した麻衣を、父親はやはり驚きに打たれた顔つきで見ていた。
すこしばかり口が開かれている。

『あ、あの、何か?』

『いや、いえ、すみません。
 長く預かって頂いて。
 ほら、直樹こっちきなさい』

父親は幾分きびしい表情につくり直して麻衣に礼を告げ、男の子を抱きあげた。
男の子が麻衣の服の背中を離さなかったので、男の子に引っ張られるように麻衣も立ちあがった。

『あ、すみません。
 こら、直樹、離しなさい』

父親は、男の子の指を無理に開かせると自分の胸元に抱きなおし、もういちど礼をした。


 
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