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星と僕たちのあいだに
第7章 迷子
 
発育がすすむにつれ、麻衣のひとり遊びはより苛烈なものになっていった。
表皮をこすることから、指の抜き挿しによる刺激に汲々(きゅうきゅう)とするようになった。
麻衣の自慰は、意中の異性を対象にしたものではなく、快感の享受だけに純化されたものだったために、とめどがなかった。

寝間に入れば条件反射で性衝動が顕在化し、気づけばいつも濡れていた。
下腹にそって手をいれると、それだけで体の芯に熱をもち、その余熱がつま先に達するまでに罪の意識など消え去っていた。
肉を分け、溝をなぞりはじめれば、脳裏に虹が交差しても指はとまらなかった。

絶頂に達したあとの後ろめたさが色を濃くしても、麻衣は自慰に翻弄(ほんろう)され続けた。
脅迫の闇のなかで罪悪感をしんしんとつのらせながら、自分の中にひそむ邪淫について狂おしいまでに執心し、それでいて快感にあらがえぬ自分を蛇蝎(だかつ)のごとく嫌悪した。

相反する情動のはざまを行き来するうちに、そうした内なる邪淫が我知らず自分の顔つきや行動にあらわれているのではないかと、あらぬ不安を抱くようになり、麻衣は自分の本性を秘し隠すかのように身なりを清潔にととのえ、つとめて清楚に慎ましく振る舞うようになった。

小さな頃から続けてきた不道徳な行い。
それが、いつか自分に大きな厄災をもたらすのではないかという懸念は、子供じみた思いこみだとわかっていても、母の死以後、いつも麻衣の心のどこかに潜在した。

そうした思春期の来し方を経て大人の女になった彼女は、交際した男性との性行為で性器を直接愛撫されることをあまり好まなかった。
触れられることはおろか、視線さえ拒むこともあった。
それは、手淫をくり返し重ねたことによる人間的な乱れが、これまで何度もいたずらをしてきた性器そのものに立ちあらわれているような気がするからだった。

一年前の造影検査の結果はまさに背徳のむくいであり、不妊はそれによって与えられた罰なのだという、およそ根拠のない思いこみと劣等感を、これまで麻衣はぬぐいきれずにいたのである。



 
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