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星と僕たちのあいだに
第7章 迷子
 
尻に顔を埋めていた圭司が、やにわに麻衣を裏返した。
そばにあったワークチェアを引き寄せると、つかんだ麻衣の左足首をその上に置いた。
片ひざを持ち上げられた麻衣は、壁に両肩を押しつけて体をささえたが、かしずく圭司の眼前でふとももを張り開いて、性器をさらす状態になってしまった。

『こ、こんな格好……』

『嫌か?』

執拗な圭司の愛撫によって、麻衣の下半身には唾液と水蜜がぬめった糸を引かせていた。
麻衣は顔から火が出るほどの恥ずかしさで、カッとのぼせてしまいそうになりながらも、こぶしを強くにぎって小刻みに首を振った。

『じゃ、じっとしてろ』

圭司の鼻の頭が無防備に開かれた麻衣の股間へもぐりこむ。
濡れそぼった閉じ合わせを、さっきとは違う向きに舌先でなぞりつけられた麻衣は、だらしなく分けた唇を閉じることもできぬほど恍惚となって、快感に身をゆだねた。

圭司はひとつ頭を動かすごとに、ひとつ息をする。
その息づかいは興奮を隠すことなく、麻衣の恥部へと熱く吹きかかる。
渇いた者が水を欲しがるような、欲望へ真っすぐに向かっていく圭司の愛撫が、嘘やごまかしのない誠実な愛の行為だと、麻衣には思えた。

こんなにも自分の性器を欲しがってくれる圭司が愛しくてたまらなくなってくる。
濡れる私を欲しがってくれるのなら、私だってもっと、もっと濡らしたい……。

うっとりと性器への愛撫を受けていた麻衣のなかで、ふいに嫉妬がこじれた。
圭司の欲しがり方は、女を正直にさせる男のきまじめさにあふれている。
きっと圭司は私以外の女も、こうして愛したに違いない。
麻衣は頭の奥のほうに火花が散るのを感じた。
自分が見も知らない、これまで圭司に愛された女たちの幻影が、麻衣の独占欲に火をつけた。

『圭司さん、
 ずるい……』

ミケンに深いシワをよせ、麻衣は、自分の腰を動かしてもいいかと訊いた。
もっと自分を欲しがらせたくて、とことん濡れたくなって、そう訊いた。
圭司は黙してうなずき、麻衣の茂みへ分け入るように顔をふってヒダを開き、いちばん敏感な部分へ尖らせた舌先を押しつけた。
ひざまずく圭司へ麻衣の白い手が伸びていき、髪のなかに指先がうまる。
麻衣の腰が振り子の軌跡を描いて圭司をこすりだすと、湿り気をおびた泉はしっかりと押し返してくる圭司の舌先とのあいだで、水っぽい音をたてた。


 
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