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星と僕たちのあいだに
第7章 迷子
そして、二人は蛇のように絡みあった。
内に秘めた性の炎をみずからをあおり、麻衣は、徹底して圭司を求めた。
その求めは圭司からの施しを乞うものではなく、内なる自己の欲望をみたそうとするものであった。
雌雄(しゅう)の大蛇がウロボロスの輪をなすように、惜しみなく互いの性器を相食(あいは)んで愛おしみ、互いの肉体を食いつくさんばかりに、ときおり痛みをともなうほど強く噛みついて相手の体に歯形を残した。
とめどなく噴出する情欲は堰(せき)をきって荒々しい瀑布(ばくふ)となり、もっぱら単純に、肉体そのものへ向かってゆく。
パートナーの肉体が欲しい。性器を慈しみたい。
それは決して、あざけられることではない。
肉体は愛情に見劣るものではない。
愛する者の肉体は、愛する者を形づくる唯一無二の実体であり、求められ愛されて当然なるものなのだ。
だから、
麻衣は欲するだけでなく、圭司に欲しがられることにも無上のよろこびを感じた。
我が身を奉納するかのように肉づきのいい尻を振りたたせ、すすんで圭司の好む姿態をとった。
その積極性は、深い腰の角度や、しっかりと開かれた太ももや、きつくそらせた背すじにあらわれた。
さまざまな曲線で構成された見事な なりかたちは、ある種の迫力を生み、いつもより麻衣の体躯を大きく見せる。
そこからは強烈な「性」が発散されていた。
肉体のスペクタクルを目の当たりにして、すこぶる興奮した圭司は、尻をあげてベッドに伏せる麻衣の肉体的美点や性的魅力をかすれた声で褒めそやし、白く柔らかい肉をわしづかみにした。
我慢できないといったようすでさらに尻を突き出してくる麻衣が、切ない顔を圭司に向けた。
『圭司さん……ほしい』
その姿勢と表情が圭司に抑えがたい衝動を与えた。
さらなる血がこわばりへと流れこみ、圭司の体内で熱の塊がふくらむ。
圭司はこわばりを麻衣にあてがい、一気に圧(お)しこんだ。
『ぅぐっ……!』
奥深くで圭司につながれて、麻衣は即座にあふれた。
頬を押しつけたシーツを噛んで懸命にあえぎの声を殺したが、ときおり悲鳴に似た声色で喉の奥を鳴らし、そのあいまに、気持ちいいという意味の言葉にならないうめき声を何十回と口にして、身の内に存在する鋼の異性を逃がすまいと膣を収縮させた。