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星と僕たちのあいだに
第2章 優しい場所
 
『ちょっと変わってるけど、
 さすがあの二人は芸術家肌ね。
 センスがいいのよね。
 ロンドンとかニューヨークの
 ソーホーってこんな感じなのよ。

 ここは端から端まで三十メートル、
 三百坪あるんだって』

珍しそうに家電製品の裏側を見てまわる麻衣に、早苗が身内を自慢するような口調で言った。

『そんなに?
 学校のプールより広いんですね』

『うん、屋根も高くていいでしょ。
 暖房はまったく効かないんだけど、
 夏は涼しくてさ、
 あの窓からお月様が見えるわ』

『風流ですね、
 なんだか楽しそう』

『楽でいいわよ。
 開放感があって、気兼ねなくて
 あの二人も羊みたいだし。
 安全も保障するわ』

早苗は屈託なく笑って水をふくみ、頭のタオルをまた巻きなおした。

やがて風呂から上がってきた渡瀬と圭司がスウェット姿でリビングに戻ると、ドカッとソファに腰をおとし、冷蔵庫から出した缶ビールをグイグイと呑んだ。
三人の素振りや仕草に違和感はなく、気取らない共同生活が本当にここでなされていると麻衣には思えた。

ソファに座る圭司に、麻衣がしずしずと歩み寄る。

『私は……
 ホントにお世話になって
 いいんでしょうか……』

圭司は、隣に座るようソファをあけた。

『気にいった?』

麻衣は遠慮がちにソファへ尻をのせると、ペットボトルをテーブルに置いて圭司を見つめ、はい、とうなずいた。

『ここはとても素敵です』

『よかった。じゃ、決まりだな。
 今日から四人暮らしだ。
 よろしくね、麻衣ちゃん』

微笑んで、麻衣の肩をポンと叩いた。
圭司の口調には安堵が含まれていた。



 
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