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星と僕たちのあいだに
第2章 優しい場所
 
『一応、ルールがあるんだ。
 食費は食った者で頭割り。
 この二人は忙しいから外食が多くて
 ここで食うのは俺ぐらいだけどね。
 あと、光熱費と家賃もだな。
 知れてるよ、全部あわせて
 四人なら一人三、四万もあれば、
 一か月やってける』

『え? それだけで?』

『うん、そんなもんだよ。
 あとは掃除を全員で。
 風呂とトイレは俺か浩ちゃんがやるし、
 早苗はキッチンとかやってる。
 麻衣ちゃんは早苗と相談して。
 まぁ、ルールはそんなもんだよ。
 あとは勝手にやってくれていい』

圭司の説明に麻衣は深くうなずいた。

『それから、小屋だよな。
 しばらくは早苗と居てもらうとして、
 麻衣ちゃんも自分の小屋があった方がいいと思うんだ。
 私物もあるだろうし、
 寝る以外に一人になりたいときがあるからね。
 十万もあればいいのが造れるよ。
 半分は俺たちが助けてあげる。
 残りはいけそう?』

『そんなに安くていいんですか?
 それに、助けてもらって……』

『そんなの気にしなくていい。
 迎える側の役目だよ。
 俺たちずっとそうしてきたんだ。
 あ、そうそう、お風呂は……』

『早苗さんが一番風呂ですよね』

早苗と麻衣が微笑みあった。

『あ、聞いてんだね。
 まぁ俺たちは女性陣のあとに
 残り湯を頂くことになってる』

『わかりました。
 じゃ私、料理します。
 なにかお返しさせてください』

『そりゃ、楽しみだな。
 スーパーは少し遠いんだ。
 買い出しにはつきあうよ』

四人は缶ビールとミネラルウォーターで乾杯した。
長らく味わえなかった優しい時間が少し遅れて今夜、麻衣の元にやってきた。
それはまだまだ脆弱なものではあったが、麻衣は心の片隅に小さな炎がともったような気がした。


 
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