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星と僕たちのあいだに
第5章 それぞれの枕辺

¨愛している¨という、短くとも強さに満ちた言葉を愛する男が口にしてくれた。
その事実は、よこしまな朝のとがめを吹き飛ばして麻衣を歓喜へとみちびいた。
前後不覚の快感の中、麻衣にいくつかの記憶がよみがえる。
その言葉は前の男も口にした。
十代で初めて異性を体に迎えたとき、激痛の闇の中でも聞いた。
愛という言葉で撫でまわされ、そのつど相手の思うまま酔わされてきた。
私は、その言葉を憎んでいたはずなのに……それなのにまた、その言葉を信じようとしている。
私はバカなのだろう。
私は、本当におろかだ。
でもいい。おろかでいい。
おろかな私が圭司を愛し、そんな私を圭司は愛してくれる。
圭司はそれができる人なんだ。
少しくらい、うぬぼれてもいいじゃない。
おろかな私を愛してもらえばいい。
たくさん愛して、
たくさん愛されて、私は幸せだ――――。
麻衣は、圭司の両腕にきつく抱きしめられていた。
そうされながらひたすら下腹を打たれ続けた。
いつ終わるともしれない打撃に何度も体の芯をつらぬかれ、朦朧(もうろう)とする意識の片隅に聞こえるのは圭司の荒々しい息づかいだけになった。
打撃のたび、内臓が押されて息が詰まる。
遠のく意識をつなぎとめようと麻衣はけんめいに喉を開いたが、あえぎ声すら快感におしつぶされた。
ひたむきともいえる圭司の貫通は男のきまじめさに満ちていて、愛の言葉で起爆した麻衣の肉体を快楽で充満させた。
麻衣の胎内にはめざましく水が生まれ、ふたりのつなぎ目にあふれだし、尻をつたって腰や背にまで至り、圭司が突き上げるたびに音をたてて麻衣から噴出した。
麻衣は暴れ馬に取りすがるようにして圭司にしがみつきながらも、下半身を脱力して圭司に託し、あふれる水も流れるにまかせた。
突き上げのひとつひとつが、巨大な快感のかたまりとなって麻衣の胎内に張りつめてゆく。
そのかたまりの中に自分を破壊する何かが内包されているのを、麻衣は鈍化した意識のどこかで理解しはじめていた。
圭司の腰が速まると、かたまりがいっそう膨れあがり、破裂の迫りを感じた。

