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星と僕たちのあいだに
第5章 それぞれの枕辺
 

『そうか、悪かった』

《そうよ、悪いわ。
 電話の意味ないじゃない》

あんたたちが何をしてたのかバレバレなのよ、とでも言いたげで、早苗の怒気は弱まる気配をみせない。
仕事での不手際でイラ立つ気持ちに、それとは別の不満を上乗せして吐き出すようだった。
早苗にしては珍しいことだな、と圭司は首をひねった。

『まぁ落ちつけよ。
 そのデザイナーは
 俺の華々しい経歴を知ってるの?』

《圭ちゃんのホームページ見せたのよ。
 そしたら一度連れてこいって》

自虐的な圭司の冗談に、早苗はまじめに答えた。
圭司は、連れてこいという言いかたにカチンときたものの、早苗の立場を慮(おもんぱか)って怒りをおさめた。

『ああそう。
 そんならいいよ。
 とにかくそっちに向かってるから、
 もうちょっと待ってろ。な』

電話をきったあと、

『欧米人とか大企業ってのは、
 ほんとに何様なんだよ』

と、ひとりごちて思いきりアクセルを踏んだ。



スタジオの入り口で待っていた早苗にうながされ、分厚いドアを押しあけると、広いスタジオ内はヘアメイクやスタイリストといった、その筋の人種であふれていた。
本国の関係者とおもしき金髪や黒人もいる。

カメラマンを確保できたという一報で、撮影に向けてにわかに人が動きはじめたといった様子だった。
早苗は統括責任者として多くのスタッフをまとめ、相当なプレッシャーのなかで立ち回っていたようだ。顔つきが厳しい。

圭司は、気負いたつ早苗の背をポンとたたいた。
振りむいた早苗に微笑んでやる。
「心配するな」、というサインである。



 
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