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隷従超鋼ヴァギナス [2] 調教編
第3章 隷従訓練
「ハハハハ……銀河君、難しく考える必要はないんだよ」
「あ、ケイでいいです。ユリカ……星宮博士もそう呼んでいましたし」
「わかった。ケイ君……それでは一歩一歩いこう。そこに行ってみてくれないか」

 天寺が指さしたのは所長室の応接ソファのあたりだった。

「はい……?」

 意図を読めぬままケイは移動した。

「そこでソファに向かって床に両膝を突いてみたまえ」
「はい……」
「どうかな? 今、キミはソファに向かって跪いている。何か感じるかな?」
「いえ、なにも……」
「よろしい。じゃあ今度は私の前にきて同じ姿勢を取りたまえ」
「はい」

 深く考えずに天寺の前に戻り、再び跪く。

「よし、それで私を見上げてみたまえ」

 顔を起こすと、ケイを睥睨するように天寺が立っていた。

(あ……)

 ソファのときとは違うなにかむず痒い感覚があった。

「理解できたかな? それが隷従するという意味だ。ソファに対して跪いても何も感じはしないが、相手が人間だと違ってくる。従わされている感じがするだろう? それが隷従超鋼の気持ちなんだよ。おっと、立ち上がらないで! そのままで……今度は頭をグッと下げて……そう、床につくくらい」

 跪き、土下座のように頭を下げると、さきほどのむず痒い感覚がいっそう強まった。

(この感覚が隷従超鋼の気持ち……)

「どうかな? 口であれこれ説明するよりわかりやすいだろう」

(ホントだ……すっごーい! やっぱり博士って頭が良いんだなあ……)

「キミは今まで闇雲にヴァギナスを動かしていただけだ。そうではなく、これからは隷従感覚を理解して従わせるのだ。そうすればヴァギナスとの一体化をより強めることができるだろう」
「ハイッ! 頑張ります!」

 頭を地につけたまま、ケイは元気よく返事をした。今度はやるべきことがわかった上での返事だ。

「よろしい。それではそのまま私の靴を舐めたまえ」
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