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隷従超鋼ヴァギナス [2] 調教編
第4章 飽和
「いいよ! じゃあ私が上にいく!」
「お姉ちゃんが降りるよ……」
「いやっ! 上で寝てみたかったんだもん!」
「そっか……じゃあいいわよ、いらっしゃい……」
英瑠との添い寝。それが宿題の最初の部分だった。自分から英瑠の布団に潜り込むのは気後れがあったので、この流れはケイの気を少し楽にさせた。
もちろん、普通の状況であれば添い寝などに気後れすることはない。機械兵団からの逃避行のあの頃は、幾晩も姉妹二人で抱き合って寝たものだった。
だが、今回のこれは違う。宿題の残りの部分が問題なのだ。その後ろめたさがケイを気恥ずかしくさせるのだ。
ギシギシと梯子をきしませて妹がケイのベッドに体を運ぶ。
しゅすっ……
布団の中に小動物のようにして温もりが転げ込んできた。
「ばあ~っ!」
可愛らしいおどけ声と共に、胸のあたりに柔らかい吐息がかかった。
「やっぱり二階のほうがいいなあ! ねえ、明日から交換してよ!」
「だーめっ! 危ないから、英瑠は下」
「ちぇっ……ワクワク感が違うのに」
「そんなの、寝ちゃったらいっしょでしょ……さ、明日も早いんだから、眠りましょう……おやすみなさい」
「うん。今日は体育があったから疲れちゃった。おやすみ~、お姉ちゃ……」
寝つきの良い英瑠はあっという間にスヤスヤと寝息を立て始めた。
(英瑠……可愛いな)
妹の安らかな呼吸を、慈しむようにケイはしばらく聞いていた。
こんな風に、幸せの音に耳を澄ませたことがあった。あれはいつだったか。遠い、遠い昔のような気がする。まだ、父も母も、皆がいっしょだった頃。家族旅行で訪れた高原。夏の夜の虫たちの大合唱。今はもう違う。
「英瑠……お姉ちゃん、つらいよ……」
思いがけず涙がこぼれた。妹の前では絶対に吐かない弱音だった。
(ごめんね、ごめんね! 泣いちゃダメなのに……ダメなのに……私はお姉ちゃんなのに……)
「お姉ちゃんが降りるよ……」
「いやっ! 上で寝てみたかったんだもん!」
「そっか……じゃあいいわよ、いらっしゃい……」
英瑠との添い寝。それが宿題の最初の部分だった。自分から英瑠の布団に潜り込むのは気後れがあったので、この流れはケイの気を少し楽にさせた。
もちろん、普通の状況であれば添い寝などに気後れすることはない。機械兵団からの逃避行のあの頃は、幾晩も姉妹二人で抱き合って寝たものだった。
だが、今回のこれは違う。宿題の残りの部分が問題なのだ。その後ろめたさがケイを気恥ずかしくさせるのだ。
ギシギシと梯子をきしませて妹がケイのベッドに体を運ぶ。
しゅすっ……
布団の中に小動物のようにして温もりが転げ込んできた。
「ばあ~っ!」
可愛らしいおどけ声と共に、胸のあたりに柔らかい吐息がかかった。
「やっぱり二階のほうがいいなあ! ねえ、明日から交換してよ!」
「だーめっ! 危ないから、英瑠は下」
「ちぇっ……ワクワク感が違うのに」
「そんなの、寝ちゃったらいっしょでしょ……さ、明日も早いんだから、眠りましょう……おやすみなさい」
「うん。今日は体育があったから疲れちゃった。おやすみ~、お姉ちゃ……」
寝つきの良い英瑠はあっという間にスヤスヤと寝息を立て始めた。
(英瑠……可愛いな)
妹の安らかな呼吸を、慈しむようにケイはしばらく聞いていた。
こんな風に、幸せの音に耳を澄ませたことがあった。あれはいつだったか。遠い、遠い昔のような気がする。まだ、父も母も、皆がいっしょだった頃。家族旅行で訪れた高原。夏の夜の虫たちの大合唱。今はもう違う。
「英瑠……お姉ちゃん、つらいよ……」
思いがけず涙がこぼれた。妹の前では絶対に吐かない弱音だった。
(ごめんね、ごめんね! 泣いちゃダメなのに……ダメなのに……私はお姉ちゃんなのに……)