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隷従超鋼ヴァギナス [2] 調教編
第5章 勝利とカボチャ
 コックピットの暗闇にグリーンのランプが点灯し、管制交信が飛び交う。

――隔壁エリア退避完了。注水、いつでも!
――ウォーターシューター開きます!

 気圧調整待機のインターバルでケイはようやく絶頂の余韻から覚めようかという所だった。なにをどうしてヴァギナスの中に転がり込んだのかよく憶えていなかった。

(こんな状態で戦えるのかしら……)

 まだ頭がボーッとする。

――あーあー。パイロット、聞こえる? はじめまして銀河ケイさん……ケイちゃんって呼んでいいかな?

「あっ……はいっ! 銀河ケイ、スタンバイ!」

 呼びかけてきた初めて聞く女性の声に慌てて返事をする。

――オッケ! じゃあケイちゃん、初タッグ、頑張りましょう! あたしは龍ヶ崎スミレ、乙女座、B型! スミレって読んでいいわよ!

 ユリカのしっとりとした低い声とはまるで違う、張りのある明るい声だった。そういえば、新しい管制担当とはまだ顔を合わせていなかった。

(どんな人なんだろう?)

 と思ったが、今のやりとりで大体想像がつく。なんだかつき合いやすそうな人だ。

「了解! スミレ……さん」

 呼び捨てにするのは気が引ける。

――ちなみにケイちゃんは何座何型?

 こんな時だというのに呑気な質問だ。とはいえ、ウォーターシューターの射出準備が完了するまでまだ間がある、その間にパイロットの緊張をほぐそうとしてくれているのだろう。まったくもってつき合いやすそうな人だと、改めて思った。

(友達多そう……)

「蟹座、O型。犬と猫なら猫派です!」

――あたしもよ! 気が合うわね!

 打てば響くスミレの返答。

――カタパルト・スタンバイ。ウォーターシューター、ゲートオープン百二十パーセント。射出準備OK。

――ケイちゃん、ヴァギナス起動! フィンガーロックお願い!

 スミレはヴァギナスの動作原理の機密事項を知らされているのだろうか?
そのうちわかることだ。

「了解。リングインします」

 ケイは左右の固定孔に指を通した。
 オーガズマイザーが銀の突起をうねらせてケイの股間の前にせり出す。
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