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隷従超鋼ヴァギナス [3] 浸蝕編
第3章 時田
 事前にあたりをつけておいた隔離エリアの研究棟に忍び込み、時田と悪友は片端から実験室を調べていった。

 マスターセキュリティカードの威力は凄まじく、どの部屋もわけなく侵入することができた。

 そして、ついにその部屋に行き当たったのである。

「な、なんだこりゃあ……」
「マジにこれ、あの星宮ユリカなのか……?」

 ラボの実験用テーブルの上に横たえられていたのは、変わり果てた博士の姿だった。変わりすぎていて本当に星宮ユリカ本人か、信じられなかった。

 四肢を拘束され、一糸も纏わぬ裸体。ふくよかな乳房。

 それはいい。だが、その半身が金属のようなメタリックな表皮で覆われていた。顔面、胴体、胸も、腰も脚も腕も……その銀色の浸蝕範囲は、譬えるなら大雨の日に道を歩いていて、すれ違いざまに自動車に水を跳ねかけられてしまったかのように、不規則に身体の片側を侵していた。

(パライサイトメタル……)

 先日の作戦会議で天寺所長が言っていた言葉が時田の頭に浮かんだ。
星宮は意識を失っているようだ。体中に実験のためか治療のためか、チューブを挿入されたまま、目を閉じ眠っている。呼吸で上下する胸の動きと、傍らの心電図の波形で生きていることはわかる。

「こりゃあ……せっかく見つけたのに萎えまくりだぜ……なんてこった」

 相棒が嘆く。ここで何が行われているかなどどうでも良く、ヤれるか、ヤれないか、それだけが大事であった。

「いや、そうでもねえ……」

 時田がガチャガチャと自分のベルトを外し始める。悪友は目を丸くした。
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