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隷従超鋼ヴァギナス [3] 浸蝕編
第6章 崩壊
英瑠の通う潜水都市の学園の生徒数はそう多くない。近い学齢の学生や児童をひとつに集めて構成された学級は過疎地の学校のようなものだ。
それでも、教育の灯を絶やさないのは人類が未来を信じているからなのだと、朝礼などで繰り返し言われていた。
終業ベルが鳴り、三々五々と生徒たちが帰宅していく。
「おうい銀河~、あまり遅くまで残っているなよ~」
他の生徒たちのいなくなった教室に残っていた英瑠に、担任教師が声をかける。
「はあ~い。もう少ししたら帰りまーす!」
渋々、といった態で英瑠は机に広げていた宿題を片付け始めた。
最近、姉の帰りが遅い。家に戻っても誰もいない。それが寂しいということもあったが、その姉の様子がどうもおかしかった。英瑠がしゃべりかけても心ここにあらずという受け答えばかりだった。侵略者に対する大きな作戦が進行中で忙しいのだそうだが、英瑠は何か不吉なものを感じていた。
何か良くないことが起きるのではないか、姉の様子にそんな不安が胸をよぎるのだ。
鞄に教科書と筆記用具をしまって、昇降口を出る。と、校門の外に一台のライトバンが停まっていた。
(車だあ……)
一般居住区に自動車が入って来ることはほとんどない。昔ならば気にも留めなかった風景も、今となっては物珍しい。
(あ……これ、ヴァギナス機関の車だ)
車体に入ったマークは姉に支給された備品についているものと同じデザインだった。
それでも、教育の灯を絶やさないのは人類が未来を信じているからなのだと、朝礼などで繰り返し言われていた。
終業ベルが鳴り、三々五々と生徒たちが帰宅していく。
「おうい銀河~、あまり遅くまで残っているなよ~」
他の生徒たちのいなくなった教室に残っていた英瑠に、担任教師が声をかける。
「はあ~い。もう少ししたら帰りまーす!」
渋々、といった態で英瑠は机に広げていた宿題を片付け始めた。
最近、姉の帰りが遅い。家に戻っても誰もいない。それが寂しいということもあったが、その姉の様子がどうもおかしかった。英瑠がしゃべりかけても心ここにあらずという受け答えばかりだった。侵略者に対する大きな作戦が進行中で忙しいのだそうだが、英瑠は何か不吉なものを感じていた。
何か良くないことが起きるのではないか、姉の様子にそんな不安が胸をよぎるのだ。
鞄に教科書と筆記用具をしまって、昇降口を出る。と、校門の外に一台のライトバンが停まっていた。
(車だあ……)
一般居住区に自動車が入って来ることはほとんどない。昔ならば気にも留めなかった風景も、今となっては物珍しい。
(あ……これ、ヴァギナス機関の車だ)
車体に入ったマークは姉に支給された備品についているものと同じデザインだった。