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隷従超鋼ヴァギナス [3] 浸蝕編
第6章 崩壊
「ソウ……にゲなサイ……行ッテ……ヴァギナス……地ジョウノ……ホん体……タお……シテ……」

「ユリカさんっ! ユリカさん!」

 ざわざわと周りの銀ムカデがケイたちを窺う。

「クオッ!」

 ユリカが大きく目を見開いた。同時に蟲たちもさあっと同心円状に遠ざかる。ガクリ、と膝から崩れ落ちながら、ケイの腕の中でユリカがつぶやく。

「ス……ミ……レ……ケイヲ……おねガイ……ココ……私……ガ……オサ……エル……時間ガ……モウ……」

 ケイの腕から逃れるようにして床を這い、階段をデッキへと上がろうとする。ケイは直感的に悟った。ユリカは身を挺して最後に自分たちを助け出そうとしている。母との別離で味わったあの悲壮な決意をユリカから感じ取れた。

「ユリカさんっ! いやあああっ!」

 ユリカがのろのろと立ち上がる。

「ケイ……タタかッテ……」

 それは、いつだったかユリカに言われた言葉。

――戦って、ケイ! 気を強く持つの。人類の運命が懸かっているのよ!

「あ、あああ……ああっ……」

 自分は全てを失ったのではなかった。まだ、戦うことができる。そう言ってくれる人がいる。愚かだったかもしれない。間違いを犯したのかもしれない。けれど……

「お姉ちゃん……」

 英瑠の声がケイの背中を押した。

「行くよ! 英瑠! スミレさん!」

 先に立ってゆっくり階段を上るユリカについて、ケイたちデッキへと脱出した。
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