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隷従超鋼ヴァギナス [3] 浸蝕編
第8章 Never Say Never
 ふたつの光が巨大な流星となって渦を巻く。二匹のウロボロスの蛇の交接のように、愛のダンスに身をよじる。

 輝く愛の光蛇に巻き込まれ、敵機兵獣の醜い姿がバラバラに分解し、消し飛ばされる。

「イクッ……ああイクッ……好きイッ……好きなのッ! 太陽さんに突かれて私……アアアンッ……イッ……」

「まだだ、ケイ君! このまま……」

(え……?)

「ヴァギナス・ブーストフォーム!」

 ユピテルが変形し、ロケットへと形を変えてゆく。

 ゴッ!

 噴き出した炎が大地を焦がし、合体した二体のヴァギナスを空へと押し上げてゆく。

「イクぞ、宇宙(そら)まで!」

「んああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!」

 強烈なG。体を圧し潰すような快感。ケイとユノーが成層圏を突き抜ける。

 光が、後ろへと飛び去った。

「星……」

 瞬かぬ真空中の銀河の輝きがユノーとユピテルを取り囲んでいた。

「地球……青い……本当に……」

 モニタに映る情景が信じられなかった。人類の故郷は、侵略を受けてなお、その美しさを少しも損なわずに輝いていた。

 そして大気の層が希薄となり、宇宙と融け合うその境界にはオーロラのような……いや、七色に輝く様は似ていたが、放電しながら禍々しく淫靡にその色を移ろわせるプラズマが覆い被さっていた。

(これは……?)
(奴らのプラズマ転移ゲートだよ)

 ケイの思念に太陽の思念が答える。
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