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隷従超鋼ヴァギナス [3] 浸蝕編
第8章 Never Say Never
 目くるめく、情愛の、官能の、悦びと哀しみと、虚無と、生命力の新星爆発だった。衝撃波に一掃され、衛星軌道上から吹き飛ばされる侵略者のプラズマ転移ゲート。

《マスターのオーガズムを認識。ヴァギナス、スレイブ・アウトします》

 ナビと共にモニタの《接続中》の文字がゆっくりと点滅を始める。ケイの肉体を苛んでいたケーブルとロッドが萎え落ち、モニタが光を失う。

(やったな……ケイ……)

 太陽がささやく。

「お別れだ……」

(え……)

(ユピテルもエネルギーを使い果たした。大気圏への再突入に機体は耐えきれない……でも、ユピテルが覆っていれば……キミだけはなんとか地上までもつだろう……)

 広大無辺な宇宙空間で、青い地表を背に太陽がケイを抱きすくめる。

(そんな! やだっ! 太陽さん……せっかく勝ったのに!)

――皆と幸せに……

 霞みゆく太陽との精神の交感。

「ダメッ! 太陽さん、そんなのダメッ! ダメなんだからあッ!」

 守る! この人を! 最愛の男性を! でもどうやって!

――はは……そういえば

 太陽の優しい思念。

――まだ星の話……続きを聞いてなかったな……

「あああっ! 太陽さん! あああああああああああああああああああああああああああッ! ダメッ! ダメなのにッ! いやああああああああああああああああああああッ!」
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