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パラダイスパレスの淫らな晩餐
第1章 奇妙な豪華ホテル
「畏まりました。オーナーはお二人のファンですから、きっと感激致します」
「そんな……私たちはただの……」
「いや~! わかってるね! 見る目あるね! そのオーナー! はぐっ!」
テーブルの下でキオの向う脛にエヌフィーヌの蹴りが炸裂した。
「それでは呼んで参りますので……」
執事が厨房へと消え、しばらくすると、にこやかな笑みを浮かべたシェフがテーブルへとやって来た。
「えっ……?」
「えええっ?」
キオとエヌフィーヌが同時に驚きの声を上げる。それもそのはずで、そのシェフは、どこからどう見てもまだ年端の行かない少年だったのである。
美少年……と、言っても良いだろう。端正に整った顔立ち、女のような長い睫毛に青く澄んだ大きな瞳、清潔感ある切り揃えられた金髪のおかっぱ頭。そこに載る自分の身長ほどもある、やけに丈の長いコック帽。
「あう……あぐ……あぐ……」
驚きのあまり言葉を失うとはこのことだろう。キオは口をあんぐりと開けたまま目をぱちくりさせている。かろうじてエヌフィーヌが返事をできたのは、社交辞令の習慣のおかげだった。
「すみません……こんなにお若いとは思いもしていなくて。失礼ですが、とてもそのお歳で出せる味とは……」
「アハハ、ありがとうございます! 皆さんびっくりされるんですよ!」
取り繕うようなエヌフィーヌの言葉にも、少年は屈託なく笑顔だった。
「……ええ、本当に驚きましたわ」
「料理はお口に合いましたか?」
「ええ、どれも素晴らしいお味でした」
「アハハ、それは良かった。憧れのキオさんとエヌフィーヌさんに味わって頂けるなんて僕も感激です!」
「そんな、憧れだなんて……」
「いえいえ、憧れですよ。お二人を知ってから、いつかここを訪れて頂いたときのためにずっと腕を磨いてきたんですから!」
「まあ、それほど?」
「だって、美味しそうじゃないですか、お二人とも……」
「えっ?」
「誰だって食べてみたくなるじゃないですか。僕もずっと憧れてきたんですよ、一体どんな味がするんだろうなってね……」
「な、何をおっしゃっているの……」
「そんな……私たちはただの……」
「いや~! わかってるね! 見る目あるね! そのオーナー! はぐっ!」
テーブルの下でキオの向う脛にエヌフィーヌの蹴りが炸裂した。
「それでは呼んで参りますので……」
執事が厨房へと消え、しばらくすると、にこやかな笑みを浮かべたシェフがテーブルへとやって来た。
「えっ……?」
「えええっ?」
キオとエヌフィーヌが同時に驚きの声を上げる。それもそのはずで、そのシェフは、どこからどう見てもまだ年端の行かない少年だったのである。
美少年……と、言っても良いだろう。端正に整った顔立ち、女のような長い睫毛に青く澄んだ大きな瞳、清潔感ある切り揃えられた金髪のおかっぱ頭。そこに載る自分の身長ほどもある、やけに丈の長いコック帽。
「あう……あぐ……あぐ……」
驚きのあまり言葉を失うとはこのことだろう。キオは口をあんぐりと開けたまま目をぱちくりさせている。かろうじてエヌフィーヌが返事をできたのは、社交辞令の習慣のおかげだった。
「すみません……こんなにお若いとは思いもしていなくて。失礼ですが、とてもそのお歳で出せる味とは……」
「アハハ、ありがとうございます! 皆さんびっくりされるんですよ!」
取り繕うようなエヌフィーヌの言葉にも、少年は屈託なく笑顔だった。
「……ええ、本当に驚きましたわ」
「料理はお口に合いましたか?」
「ええ、どれも素晴らしいお味でした」
「アハハ、それは良かった。憧れのキオさんとエヌフィーヌさんに味わって頂けるなんて僕も感激です!」
「そんな、憧れだなんて……」
「いえいえ、憧れですよ。お二人を知ってから、いつかここを訪れて頂いたときのためにずっと腕を磨いてきたんですから!」
「まあ、それほど?」
「だって、美味しそうじゃないですか、お二人とも……」
「えっ?」
「誰だって食べてみたくなるじゃないですか。僕もずっと憧れてきたんですよ、一体どんな味がするんだろうなってね……」
「な、何をおっしゃっているの……」