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パラダイスパレスの淫らな晩餐
第1章 奇妙な豪華ホテル
少年の言葉が呑み込めず、戸惑うばかりのエヌフィーヌに対して、キオの反応は素早かった。少年の目つきに妖しげなものを感じ取るなり、警告する。
「エヌフィーヌ! コイツは敵だ!」
直感、そして即断。その警告にエヌフィーヌも我に返る。今までキオのこの手の危険感知が外れた試しはない。普段は小言も言うが、その点においてエヌフィーヌはキオに絶大な信頼を置いていた。
「喰らえっ!」
念のためにと帯剣して来ていたのが功を奏した。抜き払った刃が少年の首筋目掛けて閃く。エヌフィーヌも呪文を唱えて魔法を発動する。
「……出でよ、守護聖霊!」
――が。
「あ、うっ! 身体が動かない……」
「ううっ……ま、魔力が……集中できない……ど、どうして……?」
二人の身体を唐突に痺れが襲い、その攻撃と呪文は空振りに終わる。
「……無駄ですよ。食前酒に麻痺成分のある果汁を混ぜておきましたから」
「な、なんだと……」
「くっ……私たちをどうするつもり?」
「言ったでしょう? 食べてみたかったって。つまり、お料理させていただくわけですよ」
不気味に言い放つ少年の身体が二人の前で見る見るうちに巨大化し、子供の外見はそのままに、見上げるほどの大きさとなる。
「僕はね……巨人の一族なんですよ。好物は腕の立つ人間の冒険者。ここにこうしてホテルを構えているのは、食材を仕入れるためなんですよ! クククッ! 今日は一級の食材が手に入った! さあ、どちらから味わうとしようかな?」
キオ →2章へ(そのまま次へ)
エヌフィーヌ →3章へ(目次から移動)
「エヌフィーヌ! コイツは敵だ!」
直感、そして即断。その警告にエヌフィーヌも我に返る。今までキオのこの手の危険感知が外れた試しはない。普段は小言も言うが、その点においてエヌフィーヌはキオに絶大な信頼を置いていた。
「喰らえっ!」
念のためにと帯剣して来ていたのが功を奏した。抜き払った刃が少年の首筋目掛けて閃く。エヌフィーヌも呪文を唱えて魔法を発動する。
「……出でよ、守護聖霊!」
――が。
「あ、うっ! 身体が動かない……」
「ううっ……ま、魔力が……集中できない……ど、どうして……?」
二人の身体を唐突に痺れが襲い、その攻撃と呪文は空振りに終わる。
「……無駄ですよ。食前酒に麻痺成分のある果汁を混ぜておきましたから」
「な、なんだと……」
「くっ……私たちをどうするつもり?」
「言ったでしょう? 食べてみたかったって。つまり、お料理させていただくわけですよ」
不気味に言い放つ少年の身体が二人の前で見る見るうちに巨大化し、子供の外見はそのままに、見上げるほどの大きさとなる。
「僕はね……巨人の一族なんですよ。好物は腕の立つ人間の冒険者。ここにこうしてホテルを構えているのは、食材を仕入れるためなんですよ! クククッ! 今日は一級の食材が手に入った! さあ、どちらから味わうとしようかな?」
キオ →2章へ(そのまま次へ)
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