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パラダイスパレスの淫らな晩餐
第1章 奇妙な豪華ホテル
※ ※ ※
宮殿前に到着した二人は、眼前にそびえる外壁の、その巨大さに改めて圧倒されていた。
「こりゃまた、随分と立派な建物だな」
キオが素直な感想を口にする。
「壮麗……ですわね」
エヌフィーヌも同感だった。
精緻な装飾の入った白亜の壁が、青空に吸い込まれるように果てしなく伸び、見上げると陽光がまぶしい。周囲に並ぶ灌木は明らかに人の手によって手入れされており、その下生えには色とりどりの艶やかなサバンナフラワーが散りばめられている。
「やっぱり、遺跡……には見えないわね。全く荒れていないもの。まるで今でも誰かが住んでいるかのような……」
エヌフィーヌが評する。
「まあ、何があったっておかしくないよな、この国じゃ」
キオのほうの反応はいたってシンプルだ。あまり深く物事を考えないのが信条のキオは、その剣捌きと同様、判断も結論も素早く下す。
「じゃあ、早速入ってみっか……お宝の匂いがプンプンするぜ!」
「待って! どうして貴女はいつもそう……まず周りをよく調べるのよ。ほら、見て……ここに何か書いてある」
キオの軽いノリを諌めつつ、エヌフィーヌが門柱に刻まれた文字を指す。
『パラダイスパレス・リゾートホテル』
門柱にはそう書かれていた。
宮殿前に到着した二人は、眼前にそびえる外壁の、その巨大さに改めて圧倒されていた。
「こりゃまた、随分と立派な建物だな」
キオが素直な感想を口にする。
「壮麗……ですわね」
エヌフィーヌも同感だった。
精緻な装飾の入った白亜の壁が、青空に吸い込まれるように果てしなく伸び、見上げると陽光がまぶしい。周囲に並ぶ灌木は明らかに人の手によって手入れされており、その下生えには色とりどりの艶やかなサバンナフラワーが散りばめられている。
「やっぱり、遺跡……には見えないわね。全く荒れていないもの。まるで今でも誰かが住んでいるかのような……」
エヌフィーヌが評する。
「まあ、何があったっておかしくないよな、この国じゃ」
キオのほうの反応はいたってシンプルだ。あまり深く物事を考えないのが信条のキオは、その剣捌きと同様、判断も結論も素早く下す。
「じゃあ、早速入ってみっか……お宝の匂いがプンプンするぜ!」
「待って! どうして貴女はいつもそう……まず周りをよく調べるのよ。ほら、見て……ここに何か書いてある」
キオの軽いノリを諌めつつ、エヌフィーヌが門柱に刻まれた文字を指す。
『パラダイスパレス・リゾートホテル』
門柱にはそう書かれていた。