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パラダイスパレスの淫らな晩餐
第1章 奇妙な豪華ホテル
※ ※ ※
「ようこそ! パラダイスパレスへ!」
拍子抜けしたことに、宮殿内には煌煌と明かりが灯され、広い廊下を進んだ先の、大広間に設けられたカウンターには正装の執事がにこやかな笑みを湛えて待ち受けていた。
「キオ様とエヌフィーヌ様ですね? お待ちしておりました」
「いっ?」
二人は名前を呼ばれて面食らう。
「……どうして私たちの名前を? 予約した覚えはありませんわよ」
「俺たち今ここを発見したばかりなん……グボッ!」
俺たち、というキオの言葉使いに、エヌフィーヌの肘打ちが炸裂する。常々、キオの男っぽい粗雑な言葉使いにエヌフィーヌは苦言を呈していた。
(ちょっと! 少し黙ってて下さる? こういう場所でのやりとりは私に任せてくださらないかしら!)
(だあーッ、ど突くことないだろ! お前はいつも……)
(だったら、品のある言葉づかいをお勉強なさることね、お猿さん!)
(チッ……わーったよ! お、ま、か、せ、し、ま、す!)
小声でやりとりを交わし、エヌフィーヌはキオを後ろに隠すようにして前に出た。初老の執事は見たところ、普通の人間のようだ。
「オホホ……失礼いたしましたわ。所で先ほどの質問なんですが」
「ようこそ! パラダイスパレスへ!」
拍子抜けしたことに、宮殿内には煌煌と明かりが灯され、広い廊下を進んだ先の、大広間に設けられたカウンターには正装の執事がにこやかな笑みを湛えて待ち受けていた。
「キオ様とエヌフィーヌ様ですね? お待ちしておりました」
「いっ?」
二人は名前を呼ばれて面食らう。
「……どうして私たちの名前を? 予約した覚えはありませんわよ」
「俺たち今ここを発見したばかりなん……グボッ!」
俺たち、というキオの言葉使いに、エヌフィーヌの肘打ちが炸裂する。常々、キオの男っぽい粗雑な言葉使いにエヌフィーヌは苦言を呈していた。
(ちょっと! 少し黙ってて下さる? こういう場所でのやりとりは私に任せてくださらないかしら!)
(だあーッ、ど突くことないだろ! お前はいつも……)
(だったら、品のある言葉づかいをお勉強なさることね、お猿さん!)
(チッ……わーったよ! お、ま、か、せ、し、ま、す!)
小声でやりとりを交わし、エヌフィーヌはキオを後ろに隠すようにして前に出た。初老の執事は見たところ、普通の人間のようだ。
「オホホ……失礼いたしましたわ。所で先ほどの質問なんですが」