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パラダイスパレスの淫らな晩餐
第1章 奇妙な豪華ホテル
「いえ、こちらこそ、気安くお名前を口にしまして失礼致しました。ご無礼をお許し下さい。なにしろ有名人ですから……お二人は。ご高名は聞き及んでおります」
と、執事。
「お待ちしておりました、と申し上げましたのは、トップエクスプローラーのお二人であれば、秘宝を求めてこのサバンナへと踏み入り、当ホテルにご宿泊遊ばされることもあるかもしれないと、オーナーと話をしていたこともありまして。そのような意味でのお待ちしておりましたという言葉でございます。ご予約を受けてお待ちしていたという意味ではありません」
「あら、そうでしたの。光栄ですわ。でも、ということはやはりここは宿泊施設なのですね」
「はい。左様でございます。エクスプローラーの中でもトップクラスの方々にご利用いただく目的の超高級リゾートホテルを自負しております。いかがでしょう? ご宿泊して探索行の疲れを癒されては?」
「そうねえ……」
突然の提案に口ごもるエヌフィーヌに、キオが囁く。
(なあ? 泊まっちまおうぜ! ちょうどいいじゃねえか)
(ちょっと待ちなさいよ……怪しくないかしら? こんな誰もこないような場所でホテルだなんて……何かの罠かもしれなくてよ?)
(どっちみち、俺たちいつも野宿じゃねーか。罠だったとしても、危険は大して変わりねーよ)
(確かにそうだけど……)
「ええと……そうね、お値段はいくらなのかしら?」
価格が知りたいというよりは、話の間をあけないための質問だ。
「スペシャルスイートで、お一人様一泊、五百万ゴールドでございます」
「ごひゃくまっ……ぶ!」
キオの頓狂な声を、爪先を踏みつけたエヌフィーヌのブーツの踵が黙らせる。しかし、キオが驚くのも無理もない。五百万ゴールドといえば大金だ。ミドルクラスのエクスプローラーの年収ほどにも当たるだろうか。
と、執事。
「お待ちしておりました、と申し上げましたのは、トップエクスプローラーのお二人であれば、秘宝を求めてこのサバンナへと踏み入り、当ホテルにご宿泊遊ばされることもあるかもしれないと、オーナーと話をしていたこともありまして。そのような意味でのお待ちしておりましたという言葉でございます。ご予約を受けてお待ちしていたという意味ではありません」
「あら、そうでしたの。光栄ですわ。でも、ということはやはりここは宿泊施設なのですね」
「はい。左様でございます。エクスプローラーの中でもトップクラスの方々にご利用いただく目的の超高級リゾートホテルを自負しております。いかがでしょう? ご宿泊して探索行の疲れを癒されては?」
「そうねえ……」
突然の提案に口ごもるエヌフィーヌに、キオが囁く。
(なあ? 泊まっちまおうぜ! ちょうどいいじゃねえか)
(ちょっと待ちなさいよ……怪しくないかしら? こんな誰もこないような場所でホテルだなんて……何かの罠かもしれなくてよ?)
(どっちみち、俺たちいつも野宿じゃねーか。罠だったとしても、危険は大して変わりねーよ)
(確かにそうだけど……)
「ええと……そうね、お値段はいくらなのかしら?」
価格が知りたいというよりは、話の間をあけないための質問だ。
「スペシャルスイートで、お一人様一泊、五百万ゴールドでございます」
「ごひゃくまっ……ぶ!」
キオの頓狂な声を、爪先を踏みつけたエヌフィーヌのブーツの踵が黙らせる。しかし、キオが驚くのも無理もない。五百万ゴールドといえば大金だ。ミドルクラスのエクスプローラーの年収ほどにも当たるだろうか。