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透明犯罪捜査官 美荻野凛々香の非日常
第3章 ―都議・酒倉の非常識―
「くうぅっ……ダ……メ……署内でこんな……ん、ああっ……誰か来たら……見られちゃうのに……っはあ! ああっ……ああ、ああっ……早く……早くイカないと……」

 そう思うと、指の動きに一段と熱がこもる。

(イカないと……終わらないと……!)

 乳首! ビンビンになったその先を、強く弾く! ブルブルと揺れる乳頭が、その悦感を果肉に伝播し、凛々香の燃え盛る悦楽の炎を大きくする。 クリトリス! 股間で震える肉宝石は必死になった凛々香の指に磨き立てられ、その妖しい赤色をますます淫乱に充血させる。秘裂から垂れる愛の蜜がソープに混ざって太腿を伝い落ち、流れてゆく。

「はううんっ! あ……イ、ケる……ああっ、ああああ……イクウゥッ……ンハアアアアアアアアアアンッ!」

 降り注ぐ水飛沫の中で、白い裸身がガクガクガクと震えながら反り返った。股間から脳天へと突き抜ける甘い衝撃。自分で自付箋を抱きしめるような格好で、凛々香は痙攣する体を押さえつけ、陶酔の灼熱と、興奮が引くのを待つ。

「ふう……ハアッ……ハア……」

(こ……こんなこと……職場でしてしまうなんて……私……)

 幸い、入って来るものは誰もいなかった。少しの後ろめたさを残しつつも、胸をなでおろし、残ったソープを洗い落とすとシャワールームを後にする。

 このとき、もし凛々香が振り返って注意深く観察したのなら気づけたかもしれない――シャワールームの水たまりの中にできた足跡に。

 だが、凛々香は気づかなかった。署内でオナニーという自分自身の行為に茫然としたまま、フラフラと更衣室へと出て行く。

 明らかに男のサイズのその謎の足跡は、ピチャ……ピチャ……と忍び足のリズムで小さく水を撥ねながら、凛々香の後を追うのだった。
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