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透明犯罪捜査官 美荻野凛々香の非日常
第4章 ―円拓の非日常―
(俺は何をやっている……やめろ!)

 ふんわりとしたふたつの山が、呼吸に合わせてゆっくりと上下している。外しやすそうな緩めのボタン。

(やめ……なくては……こんなことは……任務に必要……ない)

 だが、想いとは裏腹に指は勝手に動き、胸の部分のボタンを外してしまう。ひとつ……ふたつ……首元を残してはだけられるパジャマ。そこには豊かな肉の海が広がっていた。

「ああ……ン……」

 どんな夢を見ているのだろう? 決まっている。恋人の胸に抱かれているのだ。誰とも知らぬ男に着衣を乱されているとも知らず。

 拓の指が、凛々香の肉海へと潜る。

「くふぅっ……ハアンッ……瑠偉人ぉ……ああ……ンン……」

 たゆたう肉のさざ波。凛々香の唇から零れる喘ぎは、妖艶な夜の波音だ。重力に引かれてゆったりと潮汐する左右の円い海面。その下に隠れた魚群の群れの様に、拓の指が水面の下を回遊する。海の中心には豆粒のような小島。そこに拓の唇が覆い被さる。

 ちゅうっ……ちゅぱっ

 まるで何もない空間に消し去られたかのように、吸われた肉先が見えなくなる。そして再び姿を現した時、尖った頂は濡れ、甘く痺れる甘美な疼きに身をわななかせていた。そして残るもう一方も同じように……

「く……ぁん!」

 ビクンッと凛々香の体が小さく跳ねる。欲情が熱い吐息となって漏れる。

「ね……じらさないで……して……瑠偉人……」

 違う男の指先で感じさせられながら、呼ばれる恋人の名。

「お尻……お尻の恥ずかしい所……あのときみたいに……いじって……」

 いじましくせがむその言葉に、拓は心を決めた。大胆に肩を掴んで凛々香を俯せにし、膝を折った獣の姿勢をとらせる。

 ミシ……

 ベッドが拓の体重に軋む。するすると凛々香のパジャマの下が降りてゆき、雲から姿を現す月の如き白い双臀が薄闇の中に浮かび上がる。しっとりとした吸い付くような肌を掻き分けて、拓の肉がその中心部へと潜り込む。
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