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牝囚戦隊ジェイルジャーファイブ
第1章 秘密結社ドワルギオン
「私は別にそういう意味で言ったんじゃありませんわ」

 ユキが釘をさす。

「そーいう意味って何にょ?」

「そ、そういう意味はそういう意味よ! 言わせないでよ、恥ずかしい!」

 さしもの高飛車令嬢も、ヨリコにかかっては形無しのようだ。態度だけでなく見かけも子供そのものの彼女だが、実は飛び級して大学院で天文学を専攻する天才少女である。

「私語をするな!」

 警護のドワルギオン戦闘員が怒鳴りつける。
 ユキは怯むことなく、ただ「やれやれ」といった顔で肩をすくめて見せる。

「そんにゃこと言ったって……生理現象はどーにも止まらないのににゃー」
「貴様っ! 黙れと言うのがわからんのかっ……」

 命令を無視して喋り続けるヨリコに向かって戦闘員が拳を振り上げる。

「ひあっ……」

 ヨリコが小さな悲鳴をあげる。
 その前にさっと身を投げ出したのは、小柄ながらも気丈そうな少女、烈拳戦隊の烈拳イエローこと、黄小玲だった。

 ショートカットに動きやすそうなベスト姿、拳にはトレドマークでもある黄色のレザーグローブ。拳法の達人でもある小玲は、おそらくこの中で唯一、戦闘スーツなしでも敵と互角以上に渡り合えるメンバーだろう。

「……どうするつもりですか?」

 言葉使いこそ丁寧だが、戦闘員をキッと睨みつけるその眼には強い力があった。だが、その反抗的な目つきがいっそう相手を激昂させる。

「なんだ貴様、文句あるのか!」

 あわやという時、穏やかな、低い声が間に割って入った。

「アンタたち……戦闘員さんには逆らわないほうがいいわよ……目をつけられたらこの先ツラいでしょうからね」
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