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愛玩男奴 お兄ちゃん
第2章 お兄ちゃんを調教ね
 息のかかる距離。私はお兄ちゃんのシャツのボタンに手を掛けた。これを全部脱いだら、お兄ちゃんは男奴になってしまう。そう思ったら、涙がじわっと溢れて来た。目が曇ってボタンを上手く外せない。それでも後ろで見ている玲子さんは何も言わなかった。時間をかけてもたもたとお兄ちゃんをはだけていく私をじっと黙って見つめているだけだった。

「袖……抜くから」

 剣道の練習で鍛えられたお兄ちゃんの体。細身だけれど肩から腕にかけての筋肉は同じ年頃の男たちより逞しいと思う。腹筋も割れていて、誰よりも一所懸命鍛錬に打ちこんでいた姿を思い出す。

 上半身はなんとか脱がし終えた私だったけれど、さすがに次やるべきことの前にはためらいを覚えた。

「ベルト、外して」

 玲子さんの抑えた声が私の背を押す。ベルトを外し、ズボンを降ろす。できるだけお兄ちゃんを見ないようにしてソックスも脱がす。脱衣籠に入れられていないお兄ちゃんの衣服は、残り一枚だけとなった。

 グレーのブリーフ。私がお兄ちゃんの体を正視できないでいると、玲子さんが言った。

「あら……膨らんでいるわね。妹に脱がされて感じちゃった?」

 独房に来て初めての、感情のこもった声だった。
 玲子さんの言った通り、お兄ちゃんの股間を隠す最後の布は、その裏側から圧迫されて外に張り出していた。

「……答えたくない? フフ、恥ずかしいのね」

 お兄ちゃん……。私は信じられなかった。そんなことあるの? 妹に脱がされてそんな風になるなんて。

 お兄ちゃんは無言だった。答えに窮しているわけではなく、弁解するつもりもない眼差しで、ジッと玲子さんを見つめ返しているだけ。

「いいわ、答えたくないなら。でも、勘違いしないでね。あとでちゃんと言わせるから」

 そう言って玲子さんは手の中で鎖を鳴らす。

「さあ、つぐみちゃん。最後の一枚よ。それが妹に脱がされて立ってしまっているのか、それともただ大きいだけなのか、ハッキリさせましょう、実の妹の手で」
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