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愛玩男奴 お兄ちゃん
第2章 お兄ちゃんを調教ね
玲子さんは喜んでいるけれど、私にはお兄ちゃんの考えてることがわかっていた。お兄ちゃんは私にお礼を催促させるような真似をさせたくないのだ。私がそんなことをしたくないのがわかっているのだ。
一糸まとわぬ姿を女の人の前に曝されて、それでも一番に私のことを想いやってくれるお兄ちゃん。ありがとうって言わなきゃいけないのは私のほうだ。
「お兄ちゃん……」
「つぐみ……」
やっと、お兄ちゃんが私を見てくれた。言葉は続かなかったけれど、それでも通じ合う。私たちは兄妹なんだから。今までずっと一緒だったんだから。
「さあ、男奴の証を嵌めるのよ、あなたの手で」
玲子さんが私に首輪を差し出した。残酷すぎる。妹の手で兄を奴隷させるなんて。でも、でもこれは、私もわかっていたこと。そうなるかもしれないって、想像はしていた。玲子さんに渡された服従の道具を手に、覚悟していた状況に立ち向かわなくてはならない。
「お兄ちゃん、お願いしなさい。それを嵌めてもらうのよ。ご主人様に。そしてあなたは生まれ変わるの」
「つぐみ……」
もう一度。私の名を呼ぶお兄ちゃん。
「――様、をつけないさい。もしくはご主人様。奴隷の言葉しか許さないわ」
お兄ちゃんがうつむき、目を閉じる。そして、再び顔を上げ、まっすぐに私を見つめた。まるで私の姿を忘れないため、その瞳に焼きつけておこうとするかのように。
そのとき、私はようやく気が付いた。
そうか、これが最後なんだ。
さっき、お兄ちゃんが口にした私の名前。あれが妹として呼ぶ、最後の私の名前なんだ。お兄ちゃんが私のことをつぐみって呼ぶことは、もうないんだ。そしてこの先、お兄ちゃんの目に映るのは妹としての私ではなく、お兄ちゃんを調教するご主人様としての私なんだ。お兄ちゃんが私を失う時、私はお兄ちゃんを失うんだ。
一糸まとわぬ姿を女の人の前に曝されて、それでも一番に私のことを想いやってくれるお兄ちゃん。ありがとうって言わなきゃいけないのは私のほうだ。
「お兄ちゃん……」
「つぐみ……」
やっと、お兄ちゃんが私を見てくれた。言葉は続かなかったけれど、それでも通じ合う。私たちは兄妹なんだから。今までずっと一緒だったんだから。
「さあ、男奴の証を嵌めるのよ、あなたの手で」
玲子さんが私に首輪を差し出した。残酷すぎる。妹の手で兄を奴隷させるなんて。でも、でもこれは、私もわかっていたこと。そうなるかもしれないって、想像はしていた。玲子さんに渡された服従の道具を手に、覚悟していた状況に立ち向かわなくてはならない。
「お兄ちゃん、お願いしなさい。それを嵌めてもらうのよ。ご主人様に。そしてあなたは生まれ変わるの」
「つぐみ……」
もう一度。私の名を呼ぶお兄ちゃん。
「――様、をつけないさい。もしくはご主人様。奴隷の言葉しか許さないわ」
お兄ちゃんがうつむき、目を閉じる。そして、再び顔を上げ、まっすぐに私を見つめた。まるで私の姿を忘れないため、その瞳に焼きつけておこうとするかのように。
そのとき、私はようやく気が付いた。
そうか、これが最後なんだ。
さっき、お兄ちゃんが口にした私の名前。あれが妹として呼ぶ、最後の私の名前なんだ。お兄ちゃんが私のことをつぐみって呼ぶことは、もうないんだ。そしてこの先、お兄ちゃんの目に映るのは妹としての私ではなく、お兄ちゃんを調教するご主人様としての私なんだ。お兄ちゃんが私を失う時、私はお兄ちゃんを失うんだ。