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愛玩男奴 お兄ちゃん
第4章 私もお兄ちゃんを……
「やってごらなさい、つぐみちゃん」

 抱きかかえていたお兄ちゃんをそっと、床にうずくまらせて、玲子さんが脇によける。そのままずっと床を見つめているお兄ちゃんに歩み寄り、私は言った。

「女を悦ばせるのが男奴なんだよね。お兄ちゃん、私も女よ」

 そして、命じる。

「……悦ばせなさい」

「つ、つぐみ……」

「つぐみじゃないでしょう! ご主人様って言いなさい!」

「お前……」

「お前? それがご主人様に対する言葉?」

 躾が必要だ。お兄ちゃん、あなたはもう男奴なの。私ももう、あなたを調教する一人の女なの。

「脱がして。私の胸、舐めてみせて……その舌で」

 服従させる。その意志を込めて言い放ち、お兄ちゃんの目を見据える。
 観念したように、お兄ちゃんは目をつぶると、ポツリと呟いた。

「ご、ご主人様……」

 のろのろと私の服の裾にかけられるお兄ちゃんの手。跪いたまま、ゆっくりと、下から服を持ち上げていくお兄ちゃんの、その頭を私が掻き抱く。

「ご主人様……腕をお放し下さい……服が……服が脱がせません」

「嫌よ。私はこうしていたいの」

「じゃあどうやって……」

「自分で考えなさいよ! 男奴なんでしょう? どうしたら命令通り、私を悦ばせられるか、考えなさいよ!」

 ささやかな復讐。どうして男奴なんかになったの? お兄ちゃんにはそれ以外に方法はなかったけれど。ああ、私、私……悪い妹だ。たったひとりのお兄ちゃんなのに。こんな意地悪なことを言えるなんて。

「わかりました。ご主人様」

 お兄ちゃんが少し怒ったのがわかった。喧嘩するときの、押し殺した硬い声だ。それでも従うしかないのが男奴。

 いきなり、お兄ちゃんがグッと力を込めて私を抱いた。私のお腹に顔をおしつけて、服をずり上げながら私の肌に舌を這わせる。

「あっ……きゃ……ウ……ああんっ」

 くすぐったい。でも、心地良い。お兄ちゃんが体を後ろに反らしたせいで、私は立っていられずお兄ちゃんにもたれて抱きつくような姿勢になる。
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