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愛玩男奴 お兄ちゃん
第4章 私もお兄ちゃんを……
「は……あうぅぅっ!」

 聞かせたかった声が出た。お兄ちゃん、もっと、もっと私を悦ばせて。もっと聞かせてあげたいの、私のこの声。淫らな声を。

「あ……アン……ふぅあっ……はァン」

 もう、ぐちゃぐちゃだった。私はお兄ちゃんをぐちゃぐちゃに濡らしていた。

「ご主人様……」

 私に吹きかかる息遣い。愛の暖かい吐息。ご主人様なんかじゃない。私は一匹の牝。それが見せたかった私の姿。男奴なんかより、もっと、ずっと、卑しくて浅ましい存在。そうなりたかったものに私はなれた。お兄ちゃんの愛撫で。

「脱がせて……」

 何を、とは言わない。もう脱がせられるものは他にないから。
 生まれたままの私。本当の私が、解き放たれてお兄ちゃんの前に姿を見せる。

「勃ってるね……お兄ちゃんのも」

 私は押さえつけるようにして、お兄ちゃんの体を床に倒す。そして倒れず残ったその部分に、口づけを。

 それは儀式だ。始まりの。私の唇から始まったことを、お兄ちゃんがいつまでも憶えているように、忘れてしまわないように、魔法をかけておかないと。

 おまじないを終えた私は、お兄ちゃんの上に跨った。

「ン……」

 服従の証に身を沈めて、熱を帯びた泥濘に迎え入れてゆく。ゆっくりと、お兄ちゃんに全てが伝わるように。

「全部……全部言うのよ……隠さずに……良くなったら、ちゃんと全部」

「ご……ご主人……様」

 お兄ちゃんが顔を歪めている。苦しいの? 私の中が。それとも……

「言って……」

 お兄ちゃん。私の男奴。育ててあげる。何でも従う愛玩具に。
 
 そして、私たちは二人になった。


HAPPY END
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