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愛玩男奴 お兄ちゃん
第7章 愛留という子……
「愛留という子は……自分で男奴になるって決めたんですか?」

 私の口から零れたのは返答ではなく、新たな質問だった。
 つい、考えていたことが出てしまった。

 玲子さんは平静なままだったけれど、それでもすぐには答えず、かといって関係ない質問を咎めもせず私を見つめ返した。

「……玲子様、お茶が入りました」

 丈さんがティートレイを手に入室し、テーブルにカップを並べる。その間、玲子さんはずっと、私になんと答えようか考えているようだった。
丈さんが下がってようやく玲子さんが口を開いた。

「そうね。いつか話すことになるかもしれないと思っていたけど……教えましょう」

 少し改まったような口調。何か特別な事情でもあるのだろうか。しかも、いつか話すかもって……私やお兄ちゃんにも関係のあることなの?

「前に、お父様とビジネス上の関係があったとお話したわよね」

 そう言えば、初めて玲子さんと会った日にそう言って挨拶されたのだった。あのときは具体的にどんな事なのかまでは説明されなかったけれど。

「愛留はお父様の研究の成果なの」

「え……どういうことですか?」

 意味がわからなかった。父の研究は遺伝子工学に関するもので、顕微鏡とかコンピュータでデータを解析するばかりだと思っていた。

「お父様の研究は卵子を介さずに精子だけでヒトを生み出すことだったの」
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