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愛玩男奴 お兄ちゃん
第7章 愛留という子……
「ショックでしょうね。でも、科学とはそういうものかもしれない。道徳や倫理の中にいては辿り着けない真理だってあるのではないかしら。お父様のやっていたことをとやかく言うことはできても、決めつけるように裁く権利は誰にもないと私は思うわ。つぐみちゃん、あなたにもね」
そうは言っても、私にはすぐに玲子さんの考えを受け入れることはできなかった。頭がくらくらして、気絶してしまいそう。
「愛留は哀しい子……」
玲子さんか呟くように言う。
「どんな人でも、少なくとも精子が卵子を必要として、卵子が精子を必要とすることで生まれて来る。でも愛留は……親の愛すら知らないあの子には、それすらない。誰からも、何からも必要とされずに、それでもこの世に生まれた。それが愛留」
そうか……そういうことか。
闇に呑み込まれていく愛留の姿に儚さを感じたのは何故か、私は理解した。
どうしてまた会う約束をしてしまったのか。私は愛留に必要とされたからだ。愛留も私が彼を必要としてると感じて、慰めようとしてくれた。
それは、調教のせいなんかじゃない。彼が生まれながら何物にも必要とされなかったから。その哀しみを誰よりも知っているからだったんだ。
そうは言っても、私にはすぐに玲子さんの考えを受け入れることはできなかった。頭がくらくらして、気絶してしまいそう。
「愛留は哀しい子……」
玲子さんか呟くように言う。
「どんな人でも、少なくとも精子が卵子を必要として、卵子が精子を必要とすることで生まれて来る。でも愛留は……親の愛すら知らないあの子には、それすらない。誰からも、何からも必要とされずに、それでもこの世に生まれた。それが愛留」
そうか……そういうことか。
闇に呑み込まれていく愛留の姿に儚さを感じたのは何故か、私は理解した。
どうしてまた会う約束をしてしまったのか。私は愛留に必要とされたからだ。愛留も私が彼を必要としてると感じて、慰めようとしてくれた。
それは、調教のせいなんかじゃない。彼が生まれながら何物にも必要とされなかったから。その哀しみを誰よりも知っているからだったんだ。