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虹色の楽譜
第3章 黄
私で、変わる?
「誰かが傍にいる事だけで演奏が変わる、
なんてあるんですか?」
ピアノの事をあまり分からない私は良く意味が分からない。
「俺も今日実際に奏の演奏を聴くまでは信じられませんでした。
が、今日の奏は明らかに俺の知っている演奏とは違う音だ」
「そうなんですか・・・」
演奏が、私で、変わる?
「奏は。田舎育ちなんですが。
親にかなり厳しくピアノを叩きこまれましてね」
「・・・・」
「ほとんど、田舎の子らしい遊びをしていないんじゃないかな」
「・・・・」
「少し・・・神経質な弾き方をするんです。
大学でこっちに出てきて親から離れたんですが
自分で課した練習ばかりでがんじがらめでね。
息抜きに俺の店で弾かせているんですけど・・・
あなたがいる事によって、ここまで音が違うとは思いませんでした」
オーナーは私にあまり視線を合わせないまま。
奏くんの方を見ながら困ったように笑った。
「豪さん。茜さんにちょっかい出すのやめてくれる?
響子さんに言いつけるからな」
演奏が終わった奏くんが私たちの話している席に来た。
「別にちょっかいは出してないさ」
「誰かが傍にいる事だけで演奏が変わる、
なんてあるんですか?」
ピアノの事をあまり分からない私は良く意味が分からない。
「俺も今日実際に奏の演奏を聴くまでは信じられませんでした。
が、今日の奏は明らかに俺の知っている演奏とは違う音だ」
「そうなんですか・・・」
演奏が、私で、変わる?
「奏は。田舎育ちなんですが。
親にかなり厳しくピアノを叩きこまれましてね」
「・・・・」
「ほとんど、田舎の子らしい遊びをしていないんじゃないかな」
「・・・・」
「少し・・・神経質な弾き方をするんです。
大学でこっちに出てきて親から離れたんですが
自分で課した練習ばかりでがんじがらめでね。
息抜きに俺の店で弾かせているんですけど・・・
あなたがいる事によって、ここまで音が違うとは思いませんでした」
オーナーは私にあまり視線を合わせないまま。
奏くんの方を見ながら困ったように笑った。
「豪さん。茜さんにちょっかい出すのやめてくれる?
響子さんに言いつけるからな」
演奏が終わった奏くんが私たちの話している席に来た。
「別にちょっかいは出してないさ」