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虹色の楽譜
第3章 黄
相手が用事があるから帰るというのに。
着いて行くと言ってまで一緒にいたかったのなんて
初めてかもしれない。
「お互いにどこまで本気になるか分かりませんが。
年下の大学生じゃなくて。一人の男として、奏くんと接すると約束します」
受付嬢の。いつものスマイルじゃなくて。
なんだかこれから起こる色々な感情が楽しみになって
心から笑った。
そんな私の笑顔に安心したように
オーナーは「うん」と何度もうなづいた。
奏くんと結婚はしないと思う。
でもいいじゃない。
私はまだ24歳だもん。
急ぐことはない。
それよりも。なんだか楽しい事が待っているようで
奏くんとのお付き合いが楽しみになった。
あ・・・・
でも、まだ奏くんに付き合おうとは言われていないんだ。
「でも、私たち、まだ始まってもいないんですけど」
奏くんの演奏を聴きながらそんなことを言えば。
「え?」
とオーナーは驚いた様子。
「今日はあいつとデートだったんじゃないの?」
「そうですけど。特に何も言われてません」
「えっ。何やってんだ」
短い髪をくしゃっと持ち上げて
軽く舌打ちをして、演奏が終わった奏くんを呼び寄せた。
着いて行くと言ってまで一緒にいたかったのなんて
初めてかもしれない。
「お互いにどこまで本気になるか分かりませんが。
年下の大学生じゃなくて。一人の男として、奏くんと接すると約束します」
受付嬢の。いつものスマイルじゃなくて。
なんだかこれから起こる色々な感情が楽しみになって
心から笑った。
そんな私の笑顔に安心したように
オーナーは「うん」と何度もうなづいた。
奏くんと結婚はしないと思う。
でもいいじゃない。
私はまだ24歳だもん。
急ぐことはない。
それよりも。なんだか楽しい事が待っているようで
奏くんとのお付き合いが楽しみになった。
あ・・・・
でも、まだ奏くんに付き合おうとは言われていないんだ。
「でも、私たち、まだ始まってもいないんですけど」
奏くんの演奏を聴きながらそんなことを言えば。
「え?」
とオーナーは驚いた様子。
「今日はあいつとデートだったんじゃないの?」
「そうですけど。特に何も言われてません」
「えっ。何やってんだ」
短い髪をくしゃっと持ち上げて
軽く舌打ちをして、演奏が終わった奏くんを呼び寄せた。