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虹色の楽譜
第1章 赤
4つ下・・・か。
「って、学生?」
「そう」
「ここは?バイト?」
「そう。知り合いの店なんだ」
そう言ってワイングラスを口に運んだ。
「あの名刺の意味は何?」
「今日ここに来た意味は何?」
お互いにけん制し合って無言で睨みあえば
可笑しくなってお互いに吹き出した。
「ごめん。態度が悪かったね。
おのでら、かなで。名前は名刺で分かってるよね。
音大の2年。ピアノ科。
ここで弾く楽譜は頭に入ってるから。
いつもぼんやり客席を見るくせが付いてるんだ。
この前、相手の男の話を全く聞いてない女の人がいるな。と思って見てたら
可笑しくなって」
「・・・・」
「こっち向けっって思いながら弾き始めたら、こっちを向いたんだ。
その表情を見て、可愛いなと思って。
その男とする食事がつまらないなら、俺が音で楽しませてあげようと思った。
どう?楽しんでくれた?」
少し照れたように下を向いて、グラスの中の白ワインを飲み干した。
「うん。素敵な演奏だった」
「って、学生?」
「そう」
「ここは?バイト?」
「そう。知り合いの店なんだ」
そう言ってワイングラスを口に運んだ。
「あの名刺の意味は何?」
「今日ここに来た意味は何?」
お互いにけん制し合って無言で睨みあえば
可笑しくなってお互いに吹き出した。
「ごめん。態度が悪かったね。
おのでら、かなで。名前は名刺で分かってるよね。
音大の2年。ピアノ科。
ここで弾く楽譜は頭に入ってるから。
いつもぼんやり客席を見るくせが付いてるんだ。
この前、相手の男の話を全く聞いてない女の人がいるな。と思って見てたら
可笑しくなって」
「・・・・」
「こっち向けっって思いながら弾き始めたら、こっちを向いたんだ。
その表情を見て、可愛いなと思って。
その男とする食事がつまらないなら、俺が音で楽しませてあげようと思った。
どう?楽しんでくれた?」
少し照れたように下を向いて、グラスの中の白ワインを飲み干した。
「うん。素敵な演奏だった」