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君は僕のものだった
第1章 君は僕のものだった
「・・・え?」


 うまれたあともよごされ続けてきた君は・・・・。


「・・・それ、ほんとう?」


 頷くぼくを見て、むかしと変わらない人懐っこい笑顔を浮かべた君は・・・。


「・・・ほんとに?結婚するって、マジで!?ハァー!?ちょお、わたし超恥ずかしい感じじゃん!マジ間ぁ悪すぎ!そういう大事なことは最初に言うべきでしょ!?意味不明!で、相手は!?どんな人!?ウワーまじめでたいじゃん!お兄ちゃんがハナムコさんになるとかぜんっぜん想像できないけど!あはは・・・」


 ずっと・・・知らないでいてね。
 そして。
 ぼくのこと、はやく忘れて。
 あの女のこと、思い出のなかに仕舞って。
 ・・・きたない思い出も、ぜんぶ。


「てか、ちょお、妄想じゃないよね!?妄想だったらマジキレるからね!結婚式はいつ!?ってお母さん死んだからしばらくはそういうメデタイことできないんだっけ!?やっばー!そういう意味でも間ぁ悪すぎ!アハハ!ちょー!まじこのメデタイ気持ち誰かに伝染したすぎる!パパにデンワしていい!?あ、もう部屋の掃除なんかほっぽってさー、このあと焼肉でもいかない!?あ、もしもしパパ!?あのさーお兄ちゃんがさぁ、」





 ぼくも君とのこと、あの女のこと、ぜんぶ忘れるからさ。
 これからは、あいつと、あいつの家族のことを愛すからさ。
 君は、君が選んだあのヘンタイと、君が心から愛する子供たちと、しあわせになって。
 ぜったいにしあわせになって。





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