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オーバーナイトケース
第3章 不思議な出会い
「・・どんな・・訳ですか?」
隣りから覗き込んできたその顔・・やっぱり浩介に似ている・・・
浩介を責めるように、浩介にぶつけられなかった感情を解き放つように、
私は男に話した。
浩介との出会い、浩介との関係。
そして今夜いつものように彼の部屋を尋ねたら彼の奥さんが出てきて、
部屋を間違えたふりをして逃げ帰って、
あてもなく地下鉄を乗り継いで、
気がついたら六本木で降りていて、
西麻布にむかって歩いてきた・・
「どうするつもりでここまできたのかわからないの・・
とにかく気を紛らわせたかった。
せっかく・・お気に入りのオーバーナイトケースで
彼の部屋に泊まるはずだったのに・・」
「その、オーバーナイトケースって、なんですか?」
男の質問に、浩介に答えたのと同じことを話して聞かせると、
へぇ、と頬を持ち上げて微笑んだ。
「このバッグ、ちょうどいい大きさなの。
普段持ち歩くものに加えて化粧洗面一式とあと下着・・
それがきっちり納まって。
彼の部屋に行くときはいつもこのバックで出勤してるんです。でも・・」
「でも?」
隣りから覗き込んできたその顔・・やっぱり浩介に似ている・・・
浩介を責めるように、浩介にぶつけられなかった感情を解き放つように、
私は男に話した。
浩介との出会い、浩介との関係。
そして今夜いつものように彼の部屋を尋ねたら彼の奥さんが出てきて、
部屋を間違えたふりをして逃げ帰って、
あてもなく地下鉄を乗り継いで、
気がついたら六本木で降りていて、
西麻布にむかって歩いてきた・・
「どうするつもりでここまできたのかわからないの・・
とにかく気を紛らわせたかった。
せっかく・・お気に入りのオーバーナイトケースで
彼の部屋に泊まるはずだったのに・・」
「その、オーバーナイトケースって、なんですか?」
男の質問に、浩介に答えたのと同じことを話して聞かせると、
へぇ、と頬を持ち上げて微笑んだ。
「このバッグ、ちょうどいい大きさなの。
普段持ち歩くものに加えて化粧洗面一式とあと下着・・
それがきっちり納まって。
彼の部屋に行くときはいつもこのバックで出勤してるんです。でも・・」
「でも?」