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藍の果て
第2章 一夫多妻制
DEADENDの特色として、リオの故郷近代都市のミレでは考えられない風習がある。
それは、一人の男性が沢山の女性を囲うことも許される。
地球も遥か昔は、そんな文化があったと耳にはした事があるが、ここはそれが当然なのだ。
治安の悪いとされる場所で、まず狙われるのは力の弱い女性や子供、彼女たちは自らの命を守って貰う為に、男たちへ自らを捧げるのだ。
そして、男たちもその守るべき女性の多さで権力の高さや、力量を計る。
基本的に温厚で平穏とされているパルバナ民族でさえ、二人妻がいるなんて男は少なくない。
「まあ、とにかく、だ。今日はお前も参加しろ、リオ」
「ごめん。僕、今日は無理。ユリアがご飯作ってくれるらしくてさ」
リオの返事に、不平や不満が口々にもらされる。
「何だよ。女は無理って面して、ちゃっかりユリアちゃんの手料理にありつけるのか」
「くそーっ!羨ましいっ!俺もユリアちゃんの晩飯食いてえっ」
嫉妬や羨望。様々な感情が混ざり合っているのか、頭を抱えたり、わざとらしく泣き出す素振りを見せたり、反応は十人十色。
これ以上のヤケクソの愚痴に付き合わされるのから解放される為に、リオは手を振って切り上げる。
「ユリアに頼んで、またホームパーティーでも開いて貰うからさ。
それに、ほら、皆カジノに行くんでしょ?早く支度しなきゃ」
約束だからな!!などと何度も念を押されながら、リオは男たちの元から離れて、帰路へとついたのだった。